最近、特に若い世代を中心にスマホを四六時中携え、使っている。こうした状況をデータで見える化してみよう。年齢別のスマホ・PCを通じたネット利用時間(およびその推移)については図録3960d参照。

 国民の生活時間を調べている総務省統計局の「社会生活基本調査」の2016年調査では、スマホ(およびパソコン)の使用実態を調べるため、従来からの生活時間調査の本体部分に加えて、学業・仕事以外でのスマホ・パソコンの時間帯別の使用率を使用目的ごとに尋ねる設問を設けている(前回2011年にはなかった設問であり、次回2021年は継続予定)。

 この設問への回答結果のうち15〜19歳、及び20〜24歳の集計結果を図示した。

 目的を問わないスマホ・パソコンの使用率(平日)を時間帯別に見ると、基本的に高校生の15〜19歳では、午前中から4割に達し、午後はそれを上回り、帰宅後の18時以降は7〜8割に達する。

 大学生あるいは就業者である20〜24歳では、15〜19歳と比べて、学校あるいは勤務先にいる9〜15時にはいったん使用率が下がり、帰宅後に使用率が急上昇し、15〜19歳と同じように7〜8割に達する。

 逆に、15〜19歳で9〜15時に使用率が下がらないということは学校の休み時間に(あるいは授業中でも)スマホを使っているのであろう。

 この他、15〜19歳と20〜24歳を比較すると、前者で、夜中の0〜3時における使用率が2割前後と後者の1割前後よりも高い点に気がつく。これが高校生と大学生・就業者との生活パターンの違いに基づくものか、それとも2016年に15〜19歳だったZ世代の新たな特徴なのかは判定が難しい。

 次に、スマホ・パソコンの使用目的別使用率に着目すると、男女の違いが目立っている。すなわち、いずれの時間帯においても、女性の場合は男性と比べ、「友人・知人とのコミュニケーション」を目的とした使用率が「趣味・娯楽」を大きく上回っているという違いが認められる。

 その他、15〜19歳では特に男で「趣味・娯楽」使用が多いが、これはゲームをする者が多いせいであろう。これも年齢効果なのか世代効果なのかは判定が難しい。

 図録2332aでは、若い女性の睡眠不足の最も大きな理由が「就寝前スマホ」である点にふれたが、当図録からもそうした状況が裏づけられよう。

 インターネット利用時間が特に若年層において顕著に増加した実態、またそれが若年層の女性のSNS利用の増加によっている点については図録3960d参照。

(2021年4月18日収録)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 情報通信技術(IT)
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)