貿易収支には含まれない国を越えた特許やライセンスなどの取引を技術貿易といい、貿易収支と同じように、対価の受取(技術輸出)から支払(技術輸入)を引いた額を技術貿易収支と呼ぶ。

 2017年度の日本の技術輸出額は、3.9兆円であり、技術輸入額は、0.6兆円であり、差し引き、技術貿易収支は、3.3兆円の輸出超過(黒字)である。

 図では、日本の技術貿易収支の推移を1971年からたどっている。1975年以降は収支の地域別の内訳を北米、ヨーロッパ、アジアその他の3区分で示している。

 北米やヨーロッパに対する技術貿易収支の赤字がアジアに対する黒字を上回って、全体が赤字の状態が長く続いていたが、後者が前者を上回って全体が黒字に転換した後、両方とも、黒字化して、黒字幅も、どんどん、大きくなって来たという推移が見て取れる。

 メルクマールとなる年次については以下の通りである。

1993年 世界に対して赤字から黒字へ転換(アジアへの黒字が北米・ヨーロッパへの赤字を上回る)
1997年 北米に対して黒字化(同じ頃、ヨーロッパに対しても黒字化)
2004年 技術貿易収支の黒字が1兆円を越える
2008年 技術貿易収支の黒字がはじめて減少。次年を含めて2年連続の減少
2014年 技術貿易収支の黒字が3兆円を越える

 図録5910では、各国別に技術輸出と技術輸入の状況を図示した。図録5930では、技術貿易収支の推移を日本と世界の主要国とで比較している。また、図録5700、および図録5800では、北米やヨーロッパとの「技術貿易収支」を、「技術依存度」という指標で、製造業全体、及び製造業の各業種ごとに、推移をたどっているので参照されたい。

(2017年6月1日収録、2018年12月19日更新)


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