米国の各分野が世界各国の国民からどの程度高く評価されているかをピューリサーチセンターが調査している。取り上げている分野は、技術的成果(Technological achievements)、エンターテインメント(Entertainment, including movies, music and television)、軍事力(Military)、大学(Universities)、生活水準(Standard of living)、ヘルスケア(Healthcare system)の6分野である。

 ここでは、エンターテインメントについての各国国民の評価について見てみよう。どの分野への評価が高いかなどについては図録8599参照。

 米国の映画、音楽、テレビなどのエンタメが「最高」と回答した割合の高さ順に国を並べた図録を見ると、米国への評価が最も高いのは、ギリシャの34%であり、日本は33%で2番目につけている。日本人の米国エンタメ評価は世界の中でも高いと言えよう。

 なお、第3位はイタリア、第6位はスペインであり、「米国エンタメ最高」と考える人が多い国民は、ギリシャ、日本を含めて第二次世界大戦で敗戦国側だった点が共通であり、敗戦ショックの反動で生じた戦後のリーダー国米国の文化へのあこがれ感情がなお継続しているという皮肉な見方もできるかもしれない。少なくとも日本についてはそう言えるだろう。

 逆に米国エンタメが「最高」とする割合が低いのは、台湾が18%でもっとも低く、ニュージーランド、ドイツがこれに次いで低くなっている。

 なお、「平均以上」を含めた値のランキングでは、カナダが76%で最も高く、イタリア、スペイン、スウェーデン、オランダが74%でカナダに次いでいる。

 逆に、「平均以上」を含めた値が最低なのはドイツの61%であり、フランスの65%がこれに次いでいる。いずれも50%を越えており、米国優位の評価は崩れないが、ドイツ、フランスといった西欧の主要国の醒めた見方が目立っているとも言えよう。

 世界各国で観客動員数における米国映画のシェアが高い点については図録8300、戦後から現在に至るまで主要な海外連続ドラマには米国発のものが多い点については図録5664参照。

(2022年1月9日収録)


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