コンビニエンスストア(コンビニ)は深夜営業を行っている場合が多いため、かつては独身の若者がたむろする場所としての性格が強かったように思われる(図録5620参照)。ところが最近は徒歩圏、小口多頻度のよろず屋としてシニア層・シルバー層(中高年層)になくてはならない存在へと性格を変化させているように感じられる。

 この点をうかがわせるデータとしてコンビニの来店客の年齢層を変化を示したデータを掲げた。図録5640で見たように高齢者がコンビニで買い物する額はさほど多くはないが、高齢者の人数的なボリュームの増大が大きく影響していると考えられる。

 セブン・イレブンに来店する客は、1994年には57%と6割近くが20歳代以下の若者層であり、50歳以上は11%と少なかった。ところが、2011年には、20歳代以下は33%と3分の1にまで縮小し、一方、50歳以上は31%と若者層と同じぐらいのシェアとなっている。変化の推移を見ると若者層の縮小は2009年まで進んで今はほぼ横ばいなのに対して、50歳以上のシニア層は今なお拡大の傾向にある。

 こうした客層変化に対応して、各コンビニ・チェーンはシニア向け、シルバー向けの対応戦略に取り組んでいる。

 毎日新聞2014年5月13日夕刊によると、「コンビニエンスストア各社が、宅配や健康志向など中高年の目線でサービス・商品の開発を急いでいる。東京・豊洲に国内初のコンビニが開店してから15日でちょうど40年。「若者の店」からシニア世代に対応した店へ、コンビニも“円熟”しつつある。」東日本大震災の際は、「首都圏でも商品供給が混乱するなか、物流に強みを持つコンビニの回復は早く「買い物に困ったシニア層が『身近な店』としてコンビニを発見し、来客が増えた」(ファミリーマート)」といわれる。同紙は、以下のような各コンビニの取り組みを紹介している。こうした取り組みを行っているからシニア客、シルバー客が拡大しているという側面もあろう。

 さらに、ダイヤモンド・オンライン2017年6月15日「コンビニ王セブンの独走を他社が止められないこれだけの理由」によると、2017年2月現在でセブンイレブンの来客者における50歳以上のシニアの比率が40.0%となっており、シニア層のさらなる取り込みを目指して、「入り口横の看板商品であった雑誌売り場をなくして代わりに冷食のリーチインを拡大、冷凍食品の品ぞろえを従来比4倍に増やす」計画だという。

 コンビニの店舗数、売上高の推移は図録5616参照。

各コンビニチェーンのシニア客対応
セブン
2012年から配食サービスに本格的に乗り出し
商品宅配の実施
弁当など「即食」商品が中心の品揃えからシニアのニーズに合わせ小分け惣菜や加工食品を大幅拡大
ローソン
「健康」テーマに低糖質パンヒット(2013年)
2016年度には食品の25%を健康志向商品に切替の計画
ファミリーマート
ビッグデータの活用によりシニア向けプライベートブランド(PB)開発に力点(「おとなのおやつ」シリーズ)
調剤薬局との融合出店
小容量の冷凍食品の販売(今春より)
ローソン
シニア女性のリピート買いが多い「サバのみそ煮」など商品群の絞り込み
(資料)毎日新聞2014年5月13日夕刊

(2014年5月17日収録、2017年6月15日コメント追加、2023年2月10日更新)


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