2014年の人間開発報告書(国連開発計画)は「持続性:脆弱性の低減と強靭さの構築」がテーマである。この報告書に世界の自然災害件数の長期推移のグラフが掲載されていたので図録にした。

 いずれの災害も20世紀末頃から件数が拡大していることが見て取れる。全体的に地球温暖化の影響とも見られるが、伝染病については、グローバリゼーションによる世界をむすぶ航空機による旅客流動性の増大の影響もあろう。報告書は以下のように述べている。

「自然災害の頻度と大きさは増加しつつある。1901〜10年に記録された災害は82件だったが、2003〜12年には4,000件以上となった。よく記録されるようになったことを考慮に入れても、増加は実質的である。特に懸念されるのは、水文学的、気象学的な災害の発生率である。自然災害による死亡者数は低下していると見られるとはいえ、影響を受ける人数は増加しつつある。

 熱波、洪水、干ばつ、豪雨の頻度と過酷さは気候変動と結びついている。極端にひどい場合は例外的に高い経済的、社会的なコストがこれらの災害によって負わされる。さらに、人間の行動が、大気や海洋の温暖化やそれによる海面上昇や異常気象を引き起こしているという科学的な証拠が増えつつある。地球温暖化が厳しく、広範囲にわたり、不可逆的なインパクトを拡大しつつある。逆に言えば、これらの異常気象は潜在的には予防したり、少なくとも軽減したりできるものであるはずである。気候変動と環境悪化は人間開発にとって主要な脅威となっている。こうした脆弱性に対する行動は、気候変動交渉に関する国際合意を含め、人間開発を確実にし、また持続可能なものにするために基本的なものとなろう。」(Human Development Report 2014, p.49)

(2014年9月2日収録)


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