東日本大震災の際の津波によって浸水域面積を国土地理院が、3月12〜19日に撮影した空中写真を用いて判読した結果(暫定値)を掲げる。データは国土地理院が3月28日に公表した資料による。

 これを見ると、宮城県の石巻市と東松島市の浸水面積が最も大きかったことが分かる。さらに、松島湾の沿岸市町村はそれほど大きな面積とはなっていないが、仙台市以南の平野部の市区町村でそれぞれ20kuを上回る浸水に見舞われた様子がうかがえる。

 一方、市街地部(建物用地)の浸水面積を見ると、石巻市と東松島市がそれぞれ21ku、8kuと最も大きく、これに次いで気仙沼市が6kuとなっている。この3市を除くと、北から南に宮古市から南相馬市の各市区町村が浸水域全体の面積ほど変動がなく、概ね2〜4ku規模の市街地で浸水被害を被っている様子がうかがわれる。

 リアス式海岸が特徴の岩手県市町村では、浸水域に占める市街地部の割合が大きい点が目立っている。これに対し、宮城県や福島県では農林業用地の浸水面積の大きな市区町村が多い。

平成23年東北地方太平洋沖地震 市区町村別津波浸水域の土地利用別面積(暫定値)
市区町村 浸水面積
(平方キロ)
うち建物用地
(平方キロ)
青森県 八戸市 2 0.5未満
階上町 0.5未満 0.5未満
岩手県 洋野町 1 0.5未満
久慈市 4 1
野田村 2 1
普代村 0.5未満 0.5未満
岩泉町 1 0.5未満
宮古市 9 4
山田町 4 2
大槌町 4 2
釜石市 7 2
大船渡市 6 3
陸前高田市 9 2
宮城県 気仙沼市 17 6
南三陸町 9 3
女川町 3 1
石巻市 73 21
東松島市 37 8
松島町 2 1
利府町 0.5未満 0.5未満
塩釜市 6 4
七ヶ浜町 5 1
多賀城市 6 3
仙台市宮城野区 20 4
仙台市若林区 29 3
仙台市太白区 3 0.5未満
名取市 27 3
岩沼市 29 4
亘理町 35 4
山元町 24 3
福島県 新地町 11 1
相馬市 29 2
南相馬市 27 2
(資料)国土地理院(2011.3.28)

(2011年4月27日収録)


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