主要国における人口1人当たりのエネルギー消費量(1次エネルギー供給量)の推移を石油換算量で示した図録を掲げた。省エネ型の国づくりがどの程度進んでいるかをうかがうためのデータである。ここで示しているのは産業用と家庭用のエネルギーを合わせた消費量である。産業用ではなく、家庭用のエネルギーのみの各国比較は図録4030参照。

 近年、日本、ドイツ、フランス、英国など主要先進国はほぼ4万kWh以下の消費量となっているのに対して、米国は8万kWh前後と約2倍の人口1人当たり消費量になっており、世界の中でも目立ったエネルギー多消費国家となっている。世界全体ではなお約2万kWhであり、米国を除く主要先進国でも世界平均の2倍のレベルとなっている。

 このため、人口1人当たりCO2排出量も米国は、日本、フランス、ドイツ、英国、韓国といった国と比較して約2倍となっている(図録4180)。

 1973年のオイルショックまで日本の高度成長期といわれる時期には、日本だけでなく、米国、ドイツ、フランスなど多くの国でエネルギー消費量が急拡大した。

 1970年代後半からは各国ほぼピークを経て横ばいに転じた。日本とフランスは高度成長期ほどではないが、2000年代前半まで増加傾向にあったが、2000年代後半に入ると景気動向も反映して減少傾向に入った。

 韓国は高度成長が1980年代〜90年代に起こり、この時期にエネルギー消費が拡大した(図録4500参照)。最近も増勢が継続し米国を除くと1人当たりエネルギーの最大消費国となっている。

 ロシアはソ連崩壊後落ち込んでいたが、最近は、回復し、韓国とともにエネルギー多消費国の性格をあらわにしている。韓国と異なりロシアの場合はエネルギー資源大国である点を背景にしている。

 消費水準は低かったものの中国も、同時期、拡大を続けていたが、2002年頃から拡大がさらに加速化し、2010年には世界平均を上回っている。中国のエネルギー消費水準は人口規模も大きいだけに世界のエネルギー消費の拡大にも多大な影響を与えている。

 ブラジル、インドのエネルギー消費はじりじりと上昇しつつあるが、なお、世界平均には達していない。

 なお、最近の特徴としては中国がついに先進国の英国を上回った点と2020年のコロナ禍の影響で各国で一時落ち込んだ点が目立っている。

(2008年4月18日収録、2010年8月3日更新、2013年9月16日更新、2014年7月28日更新。ロシア、ブラジル追加、2017年5月15日更新、2024年1月24日データの性格はIEAデータを踏襲しているがデータ源、データ単位を変え更新)


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