5年ごとに実施されている社会生活基本調査では、生活行動の調査の一環として、各種スポーツを過去1年間にどのぐらい行ったかを調べている。どのスポーツを行った者が多いかは図録3976aで示したが、ここでは、いずれかのスポーツを過去1年間に行ったかをあらわす行動者率を男女年齢別に示した。

 年齢別には、男女ともに、中学でスポーツを行う10代前半が最も高く、高校の10代後半がこれに次いでいる。その後、男は60代前半まで、女は50代まではスポーツ行動者率が低くなっていくが、定年の年代に入ると、むしろ反転上昇する。ところが70歳以上になると、やはり、身体の衰えからか、再度、スポーツ実施率は大きく低下する。

 20年前の男女年齢別のカーブと比較すると、かつては、加齢とともに、一方的にスポーツ行動者率が下がっていたのが、最近は、定年後の年齢にいったんスポーツ行動者率が上昇するようになった点が大きく異なっている。スポーツは身体が頑健な若い頃行うものという考えが後退し、むしろ、健康づくりを目指し、高齢者スポーツがさかんとなったのである。

 最近の動向として、2011〜16年の変化を見ると、各年齢でスポーツ行動率が上昇している。1996年から2011年までは働き盛りの年代を中心に低下率が大きかったが、2011年から16年にかけては行動パターンが逆転したのである。2011年までは、現役世代では、仕事や学習、スポーツ以外の趣味、あるいは外出やおしゃれで忙しくてスポーツを行う余裕がなくなっていたが、団塊の世代が退職年齢を迎えたため、団塊の世代の健康ブームが全世代にひろがったのかもしれない(国民の生活時間の変化について図録2320参照)。

 運動習慣とまで呼べるような行動パターンの年齢別の推移は、若い層で停滞、高齢層で増加の傾向にある点については図録2244参照。

(2017年7月31日収録、図録3976aから独立)


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