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 それぞれの情報源(メディア)から国内外の情報を得ている頻度を聞いた設問の結果から週1回以上の割合を年齢階層別に表したグラフを掲げた。データは2017年期の世界価値観調査によっている(具体的な調査年次は図に示した)。

(国別)

 日本の結果を見ると以下のような特徴が見て取れる。なお、以下でネット系メディアのうち「SNS」はFacebook, Twitterなどソーシャルメディアを指し、また「インターネット」という選択肢を選んだ人はSNSを除くWebサイト、スマホアプリ等の情報源を想定しているものと見られる。
  • 年齢を問わず、テレビからの情報収集の割合が9割を越え、非常に高い。
  • インターネットやSNSといったネット関連の情報収集は、若い世代ではさかんである一方で、高齢者ではかなり低くなる。
  • 旧来メディアである新聞による情報収集は、若い世代では低い一方で高齢者ではテレビに次ぐ高い割合を示している。
  • 友人・同僚・家族との携帯電話での通話や直接会話による情報収集は年齢にはあまり関係ない。
 日本の結果を米国の結果と比較すると以下のような両国の違いが浮かび上がる。
  • テレビからの情報収集は米国の場合、すでに若年層ではかなり低くなっている。
  • 両国ともインターネットやSNSといったネット関連の情報収集については高齢者で低くはなるが、米国の場合は日本ほど低くはならない。
  • 携帯電話での通話や直接会話による情報収集は高齢者ではやや低くなるが、全体としてのレベルが日本よりずっと高い(特に携帯電話の差が大きく、携帯電話文化の差異をうかがわせる)。
  • 新聞による情報収集は米国では高齢者でも日本ほど高くない。

 総じて、日本の場合は、米国より年齢による利用メディアの差が大きいといえよう。

 米国の状況は日本の状況を先取りしていると見られる。情報通信イノベーションの進展が早い米国ではネット関連の情報収集が全世代的に普及し、日本より早く旧来メディアに取って代わりつつあるのだと言えよう。図1からは、最近は日本も米国に近づいたと推測される。

 日米以外の各国については以下のような点が目立っている。
  • 韓国は若者のネット依存、高齢層の旧来メディア依存が日本と似ているが、旧来メディアのうち新聞に関して中高年でも尊重されていないという違いも目立っている。
  • カナダは同じアングロサクソン国である米国と年齢別パターンがよく似ている。ただし、各年齢層でネットを情報源とする割合が米国よりもさらに高い。
  • 中国やドイツも日韓と似ているが、テレビが若年層で米国同様かなり低い点が日韓と異なるところである。
  • 中国は新聞を情報源とする割合が特に低く、またネット系の中では、唯一、インターネットよりSNSへの依存の方が高いという特徴も見て取れる。
  • ドイツは情報源の若い層のネット・スマホ依存、高齢層の旧来メディア依存という世代ギャップの年齢傾斜が漸進的であるという特徴がある。

(情報源別)

 情報源別に国ごとの違いを見たグラフを表示選択で掲げた。これを見ると以下のような点に気づく。
  • 新聞やテレビといった旧来メディアについての年齢傾斜は国によってかなり異なる。新聞は若年層の差は小さく、高齢層の差が大きい。高齢層の新聞依存は日本やドイツで高く、韓国、中国は低く、米国、カナダは両者の中間である。
  • インターネット、SNS、携帯電話での会話は若年層で高く高齢層で低いという傾向、直接会話は年齢傾斜が余りない傾向が各国共通である。
  • ただし、インターネットやSNSといったネット系で米国、カナダは65歳以上でも余り依存割合が落ちないのが目立っている。
  • また、中国のインターネットのレバルが低く、かつ年齢傾斜が急である点、及び日本の携帯電話の会話への依存のレベルが低く、かつ年齢傾斜がほとんどない点は、その他の国々と異なった特徴として目立っている。
  • 日本人は他国民とくらべ携帯電話でしゃべるのが老若を問わず苦手のようである。

(2022年10月1日収録)


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