労働政策・研修機構が行った個人に対する調査の結果から、職場でどんな「いじめ」、「嫌がらせ」や「パワハラ」(パワーハラスメント)につながるような行為が起っているかを図示した。

 もっとも多いのは、「怒鳴られたり、暴言をはかれた」であり、働いている者の14.8%が過去1年間に受けたことがある行為だと回答している。

 以下、1割以上が受けたことがあるとしている行為は、多い順に、

「仕事をする上で必要情報をもらえない」
「自分についての陰口や噂を広められた」
「意見や提案を聞いてもらえなかった」
「無理な指示や締め切りを与えられた」
「能力不足や仕事のミスのしつこい指摘」
「容姿や私生活で気に障る事を言われた」
「必要以上な仕事の管理や口出し」

である。これらに次いで5〜10%が受けている行為は、多い順に、

「身に覚えのないことへの言いがかり」
「仕事や成果について不当な評価をされた」
「経費を自己負担しなければならなかった」
「飲み会や接待に出席するよう強制された」
「能力や経験よりも低い仕事を与えられた」

 以下の行為は5%未満とそれほど多くない。

「仕事を辞めるべきだと言われた」
「無視されたり、仲間はずれにされた」
「イスを蹴る、机を叩く等の威圧的な行為」
「仕事を取り上げられた」
「物を投げられたり、暴力を受けた」
「障害や国籍等、差別的な発言をされた」

 男女別に見てみると、女性の場合は、以下の2つの行為が男性よりかなり多い点が目立っている。カッコ内は女性だけの順位である。

「仕事をする上で必要情報をもらえない」(1位)
「容姿や私生活で気に障る事を言われた」(4位)

 男性の場合、女性と比較して多いのが目立っているのは、以下の2つの行為である。カッコ内は男性だけの順位である。

「無理な指示や締め切りを与えられた」(2位)
「能力不足や仕事のミスのしつこい指摘」(3位)

 男性の就業者の場合は、仕事の強制的な遂行というかたちでいじめやパワハラが発生しやすく、女性の場合は、仕事を取り巻く間接的な事象についてのいじめやパワハラが多いようである。

 女性に対しての方が多いと思われた「飲み会や接待に出席するよう強制された」は、日常的には、やはり、男性に対する方が多いようだ。

 男女別だけでなく年齢別にも「容姿や私生活で気に障る事を言われた」と「飲み会や接待に出席するよう強制された」について、受けたと回答した者の割合を以下に図示した。


 若い世代ほどそうした行為を受けていると回答した割合が高い。実際にそういう行為が若い世代に対して多いのか、それとも、年齢を問わず行われていても若い世代の方がより不快に感じているかであるが、両方であろう。いずれにせよ、中高年が、それほど悪いと思っていない、あるいは職場の人間関係を良くしようと思っていることでも、若者とは意識の世代ギャップが大きいということであろう。

 なお、以上のような行為を受けた者がすべてそれを「いじめ」、「パワハラ」と感じているわけではない。いずれかの行為を受けた者は34.4%であるが、それを「いじめ」、「パワハラ」と感じたのはその3分の1の11.5%なのである。この点については図録3264参照。

 学校におけるいじめの内容については、図録3942k参照。

パワハラとは

 東京新聞大図解「パワーハラスメント」(2019年3月17日)によれば、パワハラの定義と典型類型は次の通り。

 「パワハラの定義」としては以下とされる(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(2012年1月30日)の提案)。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう

 職場とは、通常の職場のほか、打ち合わせの飲食店、就業時間外の宴会などを含むとされる。また、定義上、上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間などの行為も含むとされている。

 同報告書は「パワハラの典型的な行為」を以下の6つに分類して示している(これ以外がパワハラではない訳ではない)。
1.身体的な攻撃
暴行、障害
2.精神的な攻撃
脅迫、名誉毀損、侮辱、暴言
3.人間関係からの切り離し
隔離、仲間外し、無視
4.過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5.過小な要求
能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり仕事を与えないこと
6.個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること(休みの理由を細かく聞く、プライベートに過度に立ち入る)

(2018年9月23日収録、2019年3月17日パワハラとは)


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