DV、ドメスティック・バイオレンスが社会問題となっている。図録2790では配偶者、すなわち夫あるいは妻から受けた暴力被害(DV、ドメスティック・バイオレンス)の経験率を掲げたが、ここでは、若いときに交際相手から受けた暴力被害経験率をグラフにした。出所は内閣府の調査結果である。

 これまで交際相手がいた女性のうち、その相手から身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫(これは今回調査から)、性的強要のいずれかの被害を受けた者は19.1%にのぼっている。

 このグラフで一番印象的なのは、年齢別の被害率の違いである。すなわち、60歳以上では6.7%、50代では11.5%の被害率が、40代は18.9%と若いほど被害率が高くなり、30代は33.0%、20代では30.7%と3割を越えているのである。親しい者の間における暴力的行為が、かつてより多くなっていることをうかがわせている。高年齢層は、古い話なので、かつての被害を忘れているのであろうか。おそらくそうではあるまい。

 下には、男性の方の被害経験率をかかげた。女性よりは被害率は低いが、被害を受けた者は10%程度はいる。女性と同じように、若い世代ほど被害率は高くなっており、30代では約2割、20代でも1割以上となっている。

 交際相手同士、あるいは夫婦間での暴力的行為の拡大は、男女の未婚率あるいは離婚率の上昇の一因となっていると思われる(図録1540、図録2777参照)。


(2006年4月16日収録、2010年5月13日更新、2012年5月14日更新、2015年3月31日更新)


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