28カ国約2,000人の男性に、同じ女性の顔について、目の大きさやアゴのかたちなどフェミニン度の程度を変化させた2枚の顔写真を見せて、どちらに魅力を感じるかを調べ、その要因を探った論文から結論部分を相関図にしたものを掲げた。

 これを紹介した英国エコノミスト誌によれば、「Marcinkowska女史は、健康な国の男性は女性的なフェミニン度の高い顔を可愛いと考え、不健康な国の男性は逆に男性的な顔がいいと思っていることを発見した。(中略)図が示すように、相関が明確に認められる。統計分析が示すところによると、フェミニン顔選好度は、国の所得水準や男性比率、すなわち男性の選択可能性とは相関していなかった。しかし、理由はよく分からない」(The Economist May 3rd 2014)

 Marcinkowska女史の暫定的な考えによれば「女性の高いフェミニン度は資源競争に関する成功度の低さ、すなわち支配力の低さと関連しており、反面、苛酷な環境におかれた男性は多産につながる可能性へのてがかりを示しているほうを好んでいるということがありうるのではないだろうか」(原論文の「概要Abstract」による)

 上の図では2枚の写真の差が見て取りにくい。以下に、3人の女性のフェミニン度の高い顔を左、低い顔を右に対照させた見本を掲げる。これを見ると確かに差はあるようだ。

 いったい何の役に立つ研究なのだろうかとも思うが、興味深い。

試験に使われた顔のサンプル(左が電子的に女性化さ
せたフェミニン度の高い顔、右が男性化させたフェミニン
度の低い顔)

(資料)同上のElectronic Supplementary Material 1.

 図で取り上げている28カ国は、オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、クロアチア、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、イラン、日本、ラトビア、メキシコ、ネパール、ニュージーランド、ナイジェリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、スロバキア、スペイン、スウェーデン、英国、米国である。

(2014年8月12日収録)


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