最近の若者は、男子が消極的で「草食系男子」、女子が積極的で「肉食系女子」などといわれている(草食男子、肉食女子とも呼ばれる)。こうした点については、これまで当図録でも以下のように取り上げてきた。

図録2454 姉さん女房の増加(夫婦年齢差の推移)
 〜姉さん女房が増加している〜
図録2470 楽しい時間をすごしているのは誰か
 〜若い女性に比べて男性は楽しくしていない〜
図録3184 新入社員のキャリア意識(一生社員か独立か)
 〜最近の新入社員は会社依存が高まっている〜

 ここでは、草食系男子、肉食系女子のイメージの背後に想定されているセックスに関する積極性(性的関心度)について、男女年齢別の特徴と変化について見てみよう。なお、いつ頃、草食化がはじまったかについては図録2466参照。

 厚生労働省の厚生労働科学研究費補助金を得て、(社)日本家族計画協会が2年ごとに行っている「男女の生活と意識に関する調査」は性意識、性行動、避妊、中絶、DVなどをリプロダクティブヘルスに関する事項を調査している(2012年は補助金なし)が、この中で2008〜12年にセックスへの関心度についての設問を設けている。

 これによれば、男性は30代、女性は20代後半に、性的関心度が最も高まる(無関心・嫌悪は少なくなる)。すなわち、男女ともに、出産適齢期と性的関心度は相関している(どちらが原因でどちらが結果かは単純には言えないが)。そして、それより年齢が加わると、性的関心度は低くなっていく。

 男女を比較すると、男性より女性の方が無関心・嫌悪の割合が全般的に高い。人間も動物の一種であり、鳥獣は一般にオスがメスに交尾を迫るパターンが多いことを反映しているのだと思う。関心がないというより関心がない風を装うのが女性の本来の態度だともいえる。もちろん必ずしも意識して装っているのではないので関心がないのと同義であるが。また性的関心度の年齢変化も女性の方が大きい。

 興味深いのは、実は、出産適齢期より若い世代ほど、セックスに対して、無関心や嫌悪を示す者が多くなっている点である特に10代の無関心度が高いがこれは10代が学齢期に当たっていて、出産にむすびつく可能性の高い性的関心を抑制すべきだという周囲からのプレッシャーの影響もあるのではないかと考えられる。特に女性において、10代から20代前半にかけて性的関心が一気に高まる様子もうかがえる。

 2008年から2012年にかけての変化としては、性別年齢を問わず、全般的に、性的無関心度が高まっている点が印象的である(2010年から2012年にかけては無関心度の上昇がやや止んだようであるが)。


 さて、本題の草食系男子の増加についてであるが、3時点の回帰分析を行ってみると、10代から20代前半にかけての男性の性的無関心度が年平均3%ポイントと著しく増大している点に草食系男子の増加が認められるといえよう。

 なお、性的無関心度は男性の40歳代後半でも若者同様高まっている。

 それでは肉食系女子は増加しているのであろうか。20代の女性の性的無関心度は、やはり、一般傾向と同様に、増加している。従って、女子も草食化しており、肉食女子化は、少なくとも性的関心の面からは進んでいない。ただ、女性の性的無関心度の高まりは男性ほど年齢差がなく、また、20代前半で増加倍率は男性より高いので、相対的には肉食化しているといえよう。

 酒の愛好度でも若者層では男女が逆転して点については図録0336参照。

 なお、2010年のデータは東京新聞2011年1月27日の「こちら特報部」でも「草食化は「人類の危機」−性交渉に無関心な若者急増。ストレス、過干渉、情報過多...要因さまざま」という見出しで取り上げられた。

(2011年2月21日収録、2013年2月13日更新)


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