中学、高校、大学の男女のセックス(性交)体験率(100%から差し引くと童貞率、処女率)の6年おきの推移を図録にした。データ出所は財団法人日本性教育協会による調査結果である。

 1974年から2005年にかけての30年間には男女ともセックス体験率はかなり上昇した。特に大学・高校女子は1987年以降の上昇が顕著であった。

 2005年から2017年にかけて目立っているのは大学、高校の男女ともにセックス経験率が大きく低下した点である。これは18歳以上の未婚者のセックス経験率の調査の18〜19歳の結果と同じ動きであり、実は米国の10代の結果とも同じ傾向である(図録2462参照)。日本も米国も男女ともに経験率が低下しており、草食化は男性に限らないのである。

 1999年から2005年にかけて目立っていたのは、男子が、大学生、高校生、中学生のいずれにおいても、横ばいか低下に転じているのに対して、女子は、依然として上昇を続けた点であり、その結果、大学生ではほぼ同等の水準、高校生、中学生では、女子が男子を上回った。

 当時、この要因としては、男子の消極化(草食化)、あるいはイケイケ女子の増加(肉食化)といったマインド変化に求める捉え方が一般的であったが、2005〜2011年の変化と考え合わせると単に男子の方が全般的な草食化が先にあらわれ、女子の方は男子に近づく傾向が続いていたため草食化が遅れただけのように見える。

 中学・高校と大学とで違いがあるのは、男女の差が中学・高校では女子の方が高いのに対して、大学の場合は一貫して男子が女子をほぼ10数%上回っている点である。金銭による性的サービスとの関連が背景にあると考えられる。2005年の状況は、例外的にこうした背景を越えて女子が男子に一時近づいたのである。

 なお、新聞報道は、ケータイをよく使う学生・児童の方がセックス経験率が高いという携帯電話使用率とセックス経験率が相関している調査結果を大きく取り上げた(毎日新聞2006年11月21・22日)。これが因果関係を示すデータなのか、単にイケイケ女子はケータイもよく使うし、セックスに対しても積極的ということなのかは分からない。

 参考までに同じ資料でデート経験率の推移を見ると、似た傾向があるとはいうもののセックス経験率の上昇ほどの大きな変化は見られない。以前から男女の生徒・学生はデートはしていたのである。男女の交渉頻度というより交渉内容の問題であることがうかがわれる。高校生では、女子の方がセックスもデートも高い経験率であるのが興味深い。

 2017年に中学生のデート経験率が大学生とは反対に上昇している点について早熟化が指摘されている(毎日新聞2018.11.25)。

 学齢以上の未婚者の男女年齢別のセックス経験率の推移については図録2462参照。

(2005年2月24日収録、2006年11月27日更新、2007年2月18日更新、2012年10月30日更新、2018年8月11日AdSense広告掲載取りやめ、2018年11月25日一部更新、2021年3月31日更新、キス経験率追加)
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