日本人の睡眠時間は減り続けている。総務省の社会生活基本調査によると、1976年から2016年にかけての40年間に、働いている男性の睡眠時間は8時間12分から7時間29分へ43分の短縮、働いている女性の場合は7時間45分から7時間15分へとちょうど30分の短縮となっている(図録2320)。

 これだけ睡眠時間が減ってきているので、当然、睡眠不足が国民的な課題となっている。当図録では、厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果から、睡眠で悩んでいる人の割合を、男女別、年代別にあらわしている。

 20歳以上の国民全体では、68.5%と約7割が睡眠上の問題を抱えており、男女を比較すると、女性の方が男性より多い。年代別には、若い層ほどその割合が高い傾向にある。中でも20代の女性は79.8%と約8割が睡眠上の問題を抱えているというのだから驚きである。

 睡眠上の問題として最も多いのは「日中、眠気を感じる」ということであり、図には、そう感じた者の割合を男女別・年代別に示した。これを見ると、男女とも、若年層ほどその割合が高まる傾向であり、また、同時に、若年層ほど、女性が男性を上回る程度も拡大する傾向にある。若い女性はともかく日中でも眠たくてしようがないのだ。

 睡眠不足が主に何によってもたらされているかについては同調査の結果を図録2332aに掲げたが、結論をいえば、男の場合は50代まで「仕事」、60代以上は「健康」と比較的単純であるのに対して、女の場合は「スマホ」→「育児」→「家事」→「仕事」→「健康」と一生の間に大きくシフトしている。

 スマホ中毒が深刻になっていることは、20代の女性が、睡眠不足の要因として「就寝前スマホ」をあげたのが33.3%であり、「仕事」をあげた30.0%を上回っていることからも分かるのである。

(2018年7月2日収録)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 生活
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)