原データ(xls):世界各国の高齢化率(2015年、2017年)

 主要国の高齢化率の推移については図録1157でふれたが、ここでは、データが得られる限りなるべく多くの世界の国の現時点の高齢化率の分布を大陸別に点グラフで示した。高齢化率は通例のように65歳以上人口の比率としてあらわしている。

 高齢化率は日本が27.7%で世界一高く、日本に次いで高いヨーロッパのイタリア、ポルトガル、ドイツのそれぞれ23.0%、21.5%、21.5%を大きく上回っている。

 世界で最も高齢化率が低いのはアラブ首長国連邦であり、値は1.1%である。100人に1人しか65歳以上の国民がいないのである。

 北米・中南米では、北米の米国、カナダは15〜17%と比較的高いが、中南米の多くの国では10%未満と高齢化率は低い水準である。

 ヨーロッパ・中央アジアでは、ヨーロッパの主要国では、高齢化率が15〜25%の範囲にある国が多く、大陸別では、最も高齢化が進んだ地域である。西欧の中ではアイルランドが特別高齢化比率が低いことで目立っている。日本の中の沖縄と同じ状況である。東欧は西欧より低く、トルコや旧ソ連圏はさらに高齢化比率が低くなっている。旧ソ連圏の中でも中央アジア諸国は5%前後と特段に高齢化率が低い。

 中東・北アフリカでは、イスラエルが例外的にやや高齢化率が高いのを除くといずれも高齢化率の低い諸国が多い。特に、アラビア半島の産油国であるサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦は世界で最も高齢化率の低い地域を構成している。

 サハラ以南アフリカはほとんどの国が5%未満であり、世界の中でももっとも若い大陸である。

 南アジアは旧インド帝国のインド、バングラデシュ、パキスタンが5%前後である。スリランカは相対的に高く、アフガニスタンは相対的に低い。高齢化率から判断するとアフガニスタンはむしろ中央アジアに近い性格をもっているようだ。

 東アジア・太平洋は、日本が特別に高齢化率が高く、香港、オーストラリア、ニュージーランドが15%強でずいぶん離れて日本に次いでいる。さらに、韓国、台湾、シンガポール、タイ、中国、北朝鮮とだんだんと高齢化率が低くなっていく。今は若い人口大国中国もいずれは大きく高齢化率が高まってくると予測されている(図録1157、図録1158)。東南アジア諸国はシンガポール、タイを除くと高齢化率は5%前後とかなり低い水準の国が多い。このエリアで最も高齢化率が低いのはソロモン諸島の3.5%である。

 この図(ただし2015年時点)を掲載したダイヤモンド・オンラインの連載(ここ)は反響が大きかったが、世界一の筈の台湾が入っていないからやり直しと言うきつい指摘があった。世銀のデータベースにないから掲載し忘れたのだが、CIAのデータベースで調べると台湾の高齢化率は韓国よりやや低い値であった。図には追加してある。

(2016年4月1日収録、8月24日更新、9月1日台湾追加、2017年9月17日国調確定値、2018年8月5日更新)


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