中国製冷凍ギョウザを食べて有機リン(メタミドホス)による中毒を引き起こした「天洋食品事件」が2008年1月末から食の安全を脅かすものとして大きな社会問題となった。さらに同年10月には中国製冷凍インゲンの農薬汚染による中毒事件も発生し、さらに食の不安をかきたてた。

 新聞等でもよく引用されているデータであるが、(社)日本冷凍食品協会が公表している冷凍食品の生産・輸入・消費の推移を図録化した。

 事件と関連して、家庭ばかりでなく給食、外食産業でも中国産を含む多くの冷凍食品が使用されていることが報道されたが、冷凍食品の消費量は、2007年には267万トンと30年前の1976年の46万トンの約6倍と急増していた。

 2008年には天洋食品事件の影響で、247万トンと対前年比92.7%とかなりの落ち込みとなった。調理冷凍食品輸入量が32万トンから23万トンへ3割近く落ち込んだ。国内生産量は、日本冷凍食品協会によれば、「生産が減った品目がある一方で、農産物のように「国産回帰」で生産が伸びたと見られる品目もあったため、全体として数量は小幅な減少にとどまり、金額は前年並みとなった。」

 その後、2010年から消費量は回復し、2012年以降は過去最大を更新している。しかし、調理冷凍食品の輸入はなお過去のピークに達していない。中国国内ではなお食品の安全は大きな社会問題となり続けており(図録8204参照)、これが日本にも報道されているので、輸入の回復はそうは進まないのであろう。

 国民1人当たりの消費量は2007年は20.9s、2013年は21.7sと以前と比較すると大きく増加している。2012年からは中国製冷凍ギョウザ事件の影響による落ち込みから回復し、過去最大となっている。もっとも米国の国民1人当たりの消費量は70sを超え、日本の3倍以上となっている。冷凍食品消費はさらに拡大する可能性がある。

 拡大してきた国内生産は1990年代末から横ばいないし微増に転じ、それ以降の消費量増加は主として輸入量の増加によるものであることが分かる。輸入比率は一貫して上昇し、最近では4割を上回っている。

 下図に生産国別の調理冷凍食品の輸入量の推移を掲げたが、輸入量の拡大は主に中国が担っていた点が明らかである。天洋食品事件の影響で2008年には中国からの輸入量が激減したことが分かる。中国からの輸入は2009年を底に回復傾向にあるが、2013年をピークにそれ以降はむしろ低下傾向である。


(2008年2月5日収録、10月16日更新、2009年4月17日更新、2014年12月6日更新、2023年8月27日更新)


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